和田峠と林道栃谷・坂沢線

北高尾山稜から陣馬ノ湯を通って藤野駅まで山歩きしたとき、好展望の陣馬高原を横
切っている林道があった。自転車で走ると気持ちのよさそうな林道に思えた。
それが林道栃谷・坂沢線だった。相模湖の北側の陣馬高原を落合から底沢まで通じて
いる予想以上に自転車ツーリング向け好展望林道でした。2001・5・13
PACIFIC18で行ってきました。

夕やけ小やけの里

起点を八王子駅とし、夕やけ小やけの里に寄り道してから、和田峠、そして落合側か
ら入り、相模湖駅までという予定。八王子駅前のコンビニで食料を買い込み高尾方面
に進むも、陣馬街道は交通量が多く、高尾駅起点にしてすればよかったとちょっと後
悔しながら進むことになった。建設中の圏央道をすぎる頃交通量はぐっと減り、山々
が近づいてきた。緩い登りをしばらく行くと、夕やけ小やけというバス停がある。夕
やけ小やけの里休憩施設がある。そしてここのベンチで休んでいると、幾度となく和
田峠方面に向かって行く自転車乗りの姿を見かけた。今日は、和田峠経由にしたのも
ちょっと訳がある。昔、陣場山ハイキングにきて、和田峠から陣馬高原下バス停まで
急な下り舗装路を歩かされたとき、なんと自転車で上がってくる人がいた。歩くのも
大変なのに、自転車で上がれるものなのだろうかと驚きの目でみていた。ここはそう
いう思い出道です。そして行動食をとってから、夕やけ小やけの歌碑があるという宮
尾神社まで、歩道を5分ほど、自転車を押し上げて行くと、ひっそりとした境内に
「夕やけ小やけで・・・」ではじまる柔らかな響きのあるその歌碑はあった。再び街
道に戻り、ハス停の終点「陣馬高原下」までくると複数の自転車乗りのグループが休
憩していた。今日はサイクリング日よりとはいえ、すごいなあ、和田峠って人気コー
スなんだなあと眺めざるを得ない状況だった。

       


            

      

和田峠は超人気コースだった

ここからは登りも本格的になってくる。高校、大学の他多くの自転車乗りグループが
走っていて、みんな右へ左へと蛇行しながらがんばってペダルを回し、つづら折りを
上っていく。自分もゆっくりペースでみんなと入れ替わり立ち替わり、杉林の中を進
んで行った。スタミナ切れの人、どんどんあがって行く人・・・。最後の急勾配が終
わるころ峠(680m)につき、そして驚いた。峠は自転車だらけだった。BD−1はな
かったけれど、マウンテン、ロードありと50台はあっただろうか。ここの茶屋のベ
ンチで大休止しているとまだまだ上がってくるぞ。相当な台数だ。いくつかのグルー
プはここに自転車を置いて陣馬山へ登っていった。そう、ここから徒歩30分ぐらい
で頂上まで行け、すばらしい展望が開けている。でも今日はパスさせてもらおう。行
かれることをお勧めしま〜す。さてハイカーの人たちとしばし懇談してから下りに入
る。下り側は、上り側とうってかわってなかなか展望がよく、下っていくつづら折り
が眺められた。上がってくる人たちとすれ違いながら次の分岐点である落合に下って
いった。


       

          

林道栃谷・坂沢線は通行止めになっていた

気持ちよく下っていくと陣馬の湯入り口が目印の落合の分岐点に着いた。ここで左折
し、今日のメインルート林道栃谷・坂沢線へ入る。まず3軒の旅館のある陣馬の湯を
目指そう。その前にここの自販機での予備水確保だ。そして栃谷川の渓谷沿いをどん
どん上っていくとまわりは再び山々が迫り、心地よい風が吹いてくる。もう自転車乗
りの人はいない。下山ハイカーと時折の旅館関係車両だけだ。一番奥の旅館をすぎる
と「この先1km、通行止めゲートあり」との立て札があった。もう登山口も通り過
ぎたし、ちょっと心細くなってくる。でも進むと数軒の民家が点在していた。伝通集
落だった。そして最後の民家をすぎるとその林道の起点は通行止めゲートで閉ざされ
ていた。そこには「道路崩壊のため通行止め」と書かれてあった。


       

         

            

道路崩壊は現れないで

道路崩壊と書かれていると進む決心が揺らいできます。通れる可能性もあるけど、不
安もいっぱいになってきます。心細くなってきます。もし崩壊したばかりで、完全に
通れない場合は戻ってくると覚悟を決めて、挑戦してみることにしました。
ゲートの脇から林道に入り、ペダルをこぎ始めた。以外にもここから路面状態はすこ
ぶる良くなった。林道の場合、路面状態はあまり良くないこともあるのに、ましてこ
こは通行止めなのに小石や小枝の落とし物はないに等しい。路面状況はかなり良好
だ。ここまで来ると緩やかな上り、開けた展望、新緑の風、しかも車なし。野鳥の声
も聞こえるぞ。とても快適。ちょっと心細いけど、極上のサイクリングロードだあ。
やがて峠(614m)。まだ道路崩壊は現れれていない。そして現れないことを願ってヘア
ピンカーブを下りはじめた。風景が流れていく。気持ちの良い風が顔を流れていく。
と2kmほど下っただろうか。道路中央に工事用のついたてが1つ置いてあった。そ
してその先は・・・。ドキッ。

道路崩壊だった

道路が土砂で乗り越えられない高さで埋め尽くされていた。予期していたとは言え、
心臓がドキドキした。近づいてみるとガードレールの外側は通過できるようになって
いる。ほっ。よかった。よかった。自転車は全く安全に押して通過できる。普通車は
絶対無理だけど四駆なら可能かも。さあ、後は最後のゲートを通過できるかだ。下り
側のゲートまできたらもう戻る気力はない。絶対通過するしかない。路面が少し悪く
なるころゲートが現れた。ちゃんと人用通路がもうけてあり心配は無用だった。あと
は下って行くだけで相模湖駅に着いた。

       

          

       

今日後半は野鳥の声を聞きながらの静かで、きれいな山岳舗装路が楽しめた。

走行距離 46km (全線 舗装)   


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