津軽海峡の旅 函館・下北半島 7日目 脇野沢
(大湊駅→水源池公園→猿の住む海辺公園→脇野沢YH)
トレンクル 57.9 km
大湊駅駅舎は ニューリアルされ、映画「飢餓海峡」のような面影は無いですけど、きれ
いに生まれ変わった駅前からは映像どうりの微妙な雰囲気の釜臥山がきもちいい空に広が
っていた。
釜臥山から見るむつ市街地の夜景は有名だ。宿「フォルクローロ大湊」にもナイトツアー
が有ったけど、ちょっとのところで間に合いませんでした。でも、駅の壁は、昼と夜の市
街の風景写真なんです。
入場券を買って、大湊駅ホームから発車する列車を見た。
大湊駅前からは映像どうりの微妙な雰囲気の釜臥山の素晴らしい眺望が広がっていた。
大湊駅ホーム列車のむこうに、きもちいい空と釜臥山
山頂にそびえる航空自衛隊のレーダーが、平和慣れしたぼくたちに防衛の重要な存在をあら
ためて示していた
[左拡大] 映画「飢餓海峡」では駅前から釜臥山を映した映像が撮られていた
[右拡大] 祭りが描かれたモニュメントの向こうに釜臥山
ここ大湊は旧帝国海軍の基地が有った所で、北洋館と言う当時の資料がギッシリ詰まった
資料館に寄った。
ポツダム宣言の受諾を決定した後、ソビエト軍が昭和20年8月~9月の間に南樺太・千
島列島を占領していった日付入りの地図が有って、「直前に中断された北海道分断計画」
も有ったなんて。もし戦争中に生活していたら、恐ろしくて夜も寝ていられないと思いな
がら、日本の北の海の防衛を担ってきた歴史等いろいろ勉強になりました。日本を取りま
く状況は確実に変わっているし。
北洋館は洒落た石造で、海軍と海上自衛隊の歴史を学んだ
[左拡大] [右拡大] 旧海軍の武器、写真や絵、遺品などが展示してありました
海上自衛隊大湊基地のジオラマ [拡大]
[拡大]
ポツダム宣言の受諾を決定した後、ソビエト軍が昭和20年8月~9月に南樺太・千島列
島を占領していった日付地図
近くの水源地公園内の旧大湊水源地水道施設へ。石積づくりの日本最古のアーチ式ダムは
ここでしか見られない貴重な建築物で、海望館からも芦崎湾と護衛艦を一望して、
旧大湊水源地水道施設
海望館から芦崎湾と護衛艦を一望
穏やかな陸奥湾沿いの、漁村が点在するシーサイドラインを走って行く。映画「飢餓海峡
」では、伴淳扮する弓坂刑事が川内川にかかる川内橋でバスを待っていた。新しく掛け替
えられていて、昔の面影はないです。
陸奥湾沿いのシーサイドライン
川内川にかかる川内橋
飢餓海峡で有名な湯野川温泉に行く予定でしたけど、水源地公園で時間を使い過ぎてしま
って無理になりました。やがて、広い校庭と大きな木造校舎の旧蛎崎小学校が有り、少し
づつ荒れ始めているようでしたけど、海と山に恵まれたいい学校だったんだろうな。
旧蛎崎小学校 木製の学校銘板 自然に囲まれ、長い歴史を刻んだのに
広い校庭も大きな木造校舎も少しづつ荒れ始めているように思えた
小学校は蛎崎城跡地にある
明日は、脇野沢港から仏ヶ浦往復コースに乗って、自然が造りあげた神秘的な岩肌と海と
の美しいコントラストを見てから、青森へ渡る予定でいたので、乗船時間だけは調べてき
た。
念のため乗船発着所へ行くと、明日の仏ヶ浦観光船「夢の平成号」は欠航、青森行きの旅
客船も欠航になりそうだとのことで、船が小さく、強風の為みたいです。青森行の判断は
明朝とのことでした。津軽半島の蟹田行きフェリー「かもしか」なら、船体が大きいので
運行される。
明日は青森へ戻りたい、と考えていると、乗船券売り場のお姉さんが、バスと列車で青森
へ行く時間を調べてくださり、今日宿泊する宿名も聞いてくれた。
明日はどうしようか。
脇野沢港
津軽半島の蟹田とをつなぐフェリー「かもしか」
北海岬方面へ海沿いをぐるりと回って、下北半島の最奥にある集落九艘泊の「猿の住む海
辺公園」へ。
「猿の住む海辺公園」へ
公園というより、崖の下の海岸の休憩所という感じです。古い船小屋と作詩家サトウハチ
ローの詩「猿は友だち」が刻まれた記念碑が有るだけで、猿には出会えませんでした。
でも、陸奥湾に面した断崖の静かな空間で、下北半島の外れまで来た「最果ての地」の感
がいっぱいが魅力的でしたね。
古い船小屋には入れませんでしたけど、中には本物の漁船が観光客用に展示してあって、
かつては観光記念館だったみたい。断崖の直下の遊歩道は落石多発の為、立ち入り禁止、
北海岬までは行けないですけど、平舘海峡を眺める静かな空間でした。
平舘海峡と集落九艘泊の「猿の住む海辺公園」中央に古い船小屋
左:作詩家サトウハチローの詩「猿は友だち」が刻まれた記念碑
右:古い船小屋 中に漁船が観光客用に展示してあり、かつては観光記念館だったかも
猿の住む海辺公園 猿が多く住んでいるらしい
東屋の向こうの断崖の直下の遊歩道は落石多発の為、立ち入り禁止
漁網を整備している青年がいて、いろいろ教えてくれた。かつての華やかだった頃の観光
用の船小屋のこと、年に数回、あの断崖直下の、海に沈んだところも有る道を命がけで向
こうの山に参拝に行くこと、津波の危険が迫っても山側に道が出来て待避出来るようにな
ったことなど、行き止まりの漁村九艘泊のことを興味深く聞いた。
行き止まりの漁村九艘泊
宿は脇野沢港近くの脇野沢YH
青森行きの旅客船が欠航なら、フェリーで津軽半島の蟹田へ渡って、竜飛崎方向へ少しサ
イクリングして、各駅列車で青森へ向かおう。
戻る