北アルプス 高天原温泉5 鷲羽岳

2002.8

5日目 雲ノ平山荘〜黒部源流〜三俣山荘〜鷲羽岳〜ワリモ岳〜黒部源流〜三俣山荘(泊)



朝、目覚めると激しかった雨も、とうげは過ぎていて一安心だけど、景色は霧雨もよう。
展望は全くダメで、のんびりビールを飲みながら、周りの山々を眺めて、散歩して、昼寝
をしようなんて出来そうにないです。

朝の食堂へ行くと、昨日から何度も見ている雲ノ平から眺めた薬師岳のパネル写真が貼っ
てあるのだけど、この風景は見れそうにないし、残念だけど、たっぷり休んだし、今日は
もう先へ行こう。

小雨の、滑りやすい木道を歩いて、キャンプ場の水場まで来ると、周りには、雨の中でテ
ントを撤収したり、朝食の準備をしている人たちがいる。水だけを補給しているぼくには
偉そうに見えて、できそうにないです。今回は荷を軽くするため、非常食料以外は山小屋
まかせのぜいたくな旅なのに、重たいと思っているんです。

みんなどうしてできるんだろう?


 祖父庭園分岐点。向こうから来て、手前に進んでいく。


大きな岩が転がる日本庭園を過ぎて、濃霧の中に、忽然と白く輝く残雪の平原が現れて、
びっくりです。どこまでも広がって、幻想の世界に来たみたい。濃霧でよかった、なんて
思わせる風景が広がっていました。





黒部源流への急坂を下り始めると、源流がぽっこり照らされて、みるみる天候は回復して
、もういい天気になってきました。沢沿いの道を向こうに登り返して、


 黒部源流



俣山荘キャンプ場でレインウェアを干して、鷲羽岳、ワリモ岳、水晶岳を正面に見てい
るわたし。いい風景になってきたし、気持ちも軽くなってきたし、黒部五郎小舎へは明日
に延ばして、今日は、また鷲羽岳に登って、雨で諦めた、鷲羽岳からの眺望を見ることに
しよう。

できれば、山頂からのおおらかな三俣蓮華岳を見てから、ワリモ岳も経由してなんて欲張
ってくるけど、時間は厳しそう。鷲羽岳山頂まで行ってから、一周するか決めよう。




三俣山荘脇から登っていくと、その見たい風景が、だんだん眼下に広がってきて、三俣蓮
華岳への登山道も見えて、とてもいい眺望になってきました。こんなふうに見えるんだ、
これがあこがれていた風景なんだ、やっぱり登りに来てよかったです。

水晶岳からの風景とは違って、おおらかで、いい風景が広がっています。

真ん中の赤い屋根が三俣山荘で、そのちょっと右上の木の無いエリアが、さっき休んだ三
俣山荘キャンプ場。





真ん中の窪地が黒部源流。右上から源流に下り、左へ登り返して三俣山荘キャンプ場へ行
って、そして、また鷲羽岳へ上がって来たわけです。


 鷲羽岳

360度の眺望が広がっていて、本当に来て良かったです。夕食ぎりぎりになるかもだけ
ど、雨の中を歩いた道をまた歩いてみたくて、ワリモ岳を経由して、源流も経由して、一
周して帰ることにしよう。


 ワリモ岳

雨で怖かったワリモ岳からの稜線は、こんな景色の中にあったんだ。いい天気の今日、ま
た行くなんて、贅沢だけど、眺望が良いい中を行くと、別の山に来たみたくて、印象が全
く違いますね。




これが、雨の時のペンキの目印だ、ここが雨の中で写真を撮ったところだ・・・と思いな
がら、あの時の気持ちと、今の安心感とが重なって、ワリモ岳の2つの横顔を見た思いで
す。

ワリモ岳を越えると、5日間歩いてきた山並みがいっぺんに見えて、もう感激です。




3日目にも来た岩苔乗越から、今度は北ではなく、南の黒部源流へ下って、三俣山荘へ上り
返していく。


 三俣山荘の食堂

宿泊の手続きをして、中に入るとすごく混み合っていて、一つの布団に二人体制になって
いて、今日は横になるだけで、我慢しよう。

夕食に遅れてはいけないと、鷲羽岳から、休まずに一生懸命歩いて来たのに、混んでいて
、ぼくの夕食はずっと後。遅く着いたし、最上階の自分の寝床で横になって、一日の変化
を思いながら夕食を待っているけど、隣の布団は空いたままで、後にはだれも来ないんで
す。

1時間ほど待って、ビールと、鷲羽岳や、周りの山々も見ながらの食事は、奥深い山での
食事は、とてもいいです。寝床に戻っても、隣の布団は空いたまま。これは、ひょっとして、
ぼくの受付ってラストなの?。そう、結局もうだれも来なくて、最上階の人たちはみんな
、一つの布団に一人で寝ることになって、快適な夜となりました。


 快適な夜



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