北アルプス 高天原温泉4 雲ノ平
2002.8
4日目 高天原山荘〜高天原峠〜雲ノ平山荘(泊)
曇り空の湿原を行き、丸木橋を渡って、分岐の高天原峠から雲ノ平へ、樹林帯の木ハシゴ
の多い道を登って行く。歩く度に、下着から漏れてくる空気は温泉のにおいがして、ちょ
っと贅沢な気分。なかなかの登り道で、きのう、下った分だけまた登って行くわけで、や
はり高天原温泉の遠さを実感します。
振り返ると薬師岳、そして岩がゴロゴロした外国名のついた庭園をいく。日本のいいとこ
ろに外国の名前がついて、残念に思いながら、ガスの眼下に雲ノ平山荘が見えて来ました。
奥スイス庭園
雲ノ平
雲ノ平山荘
ぼくは、晴れていればビールを持って、この雲ノ平を散歩しながら、周囲の山々を眺めて
、ゆっくり身体を休めたいと思っていたのに、ベンチで早めのお昼にしていると雨となっ
てきました。今日はこの雨では叶わないので、明日に期待することにしよう。
まだ、午前11時で、こんなに早く手続きする人なんていないと思っていたら、2番目。
宿泊手続きは2番目でした。
暖かい食堂で、少し余裕がでてきた予備食のチーズと、ビールを買って、またいい時間が
過ぎていきます。雨は土砂降りとなってきて、濡れなくてよかったなあと、思っていると
、宿泊の人も急に増えてきて、雨宿りの休憩をとる人も急に増えてきました。
食事をとったり、休憩に入って来る登山者たちはそれぞれの夏を過ごしているんだなあと
、自分もそうなのに、他人事みたいに、眺めておりました。食べている焼きそばなんかが
とってもおいしそうに見えてきます。
明日天気が良ければ、更に一泊して、雲ノ平のどこかの庭園で、昼寝をして過ごそう。
夕食が終わって電気が消えるまでの時間。
布団で横になって、暗い天井を見上げて、ソニーの小型携帯ラジオのスイッチを入れてみ
るけど、AM放送はノイズだらけで、やはりダメです。ここは、周りは山に囲まれていて
、放送受信はきびしいところ。時々少し聞こえることもあるけど、FM、TV放送は、イ
ヤホンアンテナでは、完全にザーザーノイズだけ。
あ!今日はテレビドラマ「ランチの女王」の放送日だったんだ。連続ドラマって普通は見
ないんだけど、たまたま一回目を見てしまってから、見たくしているんです。ここは関東
でないけど、同じ番組を放送しているのかなあ?、それに同じ時間帯に?。やっぱり、見
たいなあ。
無線機のスイッチを入れアンテナを伸ばし、チャンネルを合わせると、あ!麦田なつみ(
竹内結子たけうちゆうこ)の声が聞こえてきました。
ぼくの無線機は、1999年2月に購入したYAESU VX−5という、トリプルバン
ド、ワイドバンド受信、いざとなれば乾電池も使えるハンディ機。アンテナだけは、追加
購入しましたけど。
今はアマチュア無線機って広帯域受信機でもあって、携帯ラジオと違って、外部アンテナ
が付けられるので、やっぱ感度がいいんです。ここも、条件が悪いのに、正常に聞こえて
きました。すばらしい!
そう、山では携帯ラジオでは全くダメのFM、TV放送も、無線機だと受信できることが
多いんです。また地方へ旅行に行ったりして、駅の待合室なんかに、音声のない画像だけ
のTVが置いてあったりすると、声が聞きたくて、携帯ラジオのスイッチをいれてもダメ
なんです。放送がUHFだったりして、がっかりする訳です。
でも、無線機ならだいじょうぶ。62CHまでCH表示付きで受信できちゃうんです。ま
あ、そんなこともあって、山でなくても持っていると、時々意外と役だつのです。
それと、携帯電話(NTT)って稜線にでると、かなりつながるので、驚きますね。少し
でも下がるとダメですけど。
そして、井上陽水の
♪・・波のあこがれ・・ハチミツ・・・いざない・・地図に遊んで・・♪(森花処女林)
が聞こえて、暗くなった山小屋の中で横になって、改めて耳にすると、なんか美しく響い
て、歌詞の意味は難しくて、何だけど、こんな時に聞くと、なんか、とっても心に来るん
です。
キッチンマカロニが浮かんで、心が浮かないとき、ランチも食べて元気に変えていきたい
な、そんなドラマのイメージが重なって、オムライスが食べたくなってきました。山でも
TVドラマを思い出してしまうわたしです。
そして、夜は更けていくのですけど、雨、風が強くて、窓がガタガタと鳴って、しだいに
窓から雨漏がして、山小屋の人がビニールシートとバケツで応急処置をするけど、夜中に
は、ついに壁からも雨漏してきました。隣の、壁際の一番目の人はついに、避難です。そ
の代わりと言っては何ですが、一つのふとんに2人だったのが、寝やすくなって、ぼくは
寝入ってしまいました。
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