北アルプス 高天原温泉3 高天原温泉(たかまがはらおんせん)2050m

2002.8

3日目 水晶小屋〜ワリモ岳〜鷲羽岳〜高天原温泉〜高天原山荘(泊)

、目が覚めると、屋根からはざあざあの雨音。きのう、あれから水晶岳に登っておいて
本当によかったです。あの風景を眺めないでいたら、いつ来れるか分からないし、きっと
心残りのまま日々を過ごしていたかも。だって、見てしまったから、よけいそんなふうに
思えてしまう、抜群の風景だったんです。

今日はどうしよう。鷲羽岳に登って、ここから三俣蓮華岳方面のおおらかな稜線を眺めて
みたい、というのが、今回の旅行の2番目の希望なんだけど、今日は一日中雨みたい、全
く叶いそうにないや。

雨具は着たけど、ぐずぐずしているわたし。他の人は出かけていって、残っているのは三
人だけ。

と、女性一人を含む若者4人グループが雨宿りに入ってきて、聞いてみると、早稲田大学
のワンゲル同好会とかで、今日の朝2時に烏帽子キャンプ場から歩いてきたというのです
。この雨の中を、しかも夜の中を歩いてきたというのだから、もう、びっくりするばかり
です。

部屋の中で、ストーブで紅茶を入れてくれて、ナベの回し飲みでごちそうしてくれました
。そして、出かけていった。なんというパワーなんでしょう。

自分はどうしよう。と、今度は、若い女性が一人、雨宿りに入ってきた。なんでも、テン
ト泊で、山に来ていて、今日は1週間目だという。スレンダーな人なのに、どこに、そん
なパワーを秘めているのでしょうか?。

パワーのある若者たちに圧倒されるばかりです。今日は、温泉に入れるんだし、雨で展望
のない鷲羽岳の山頂だろうけど、やっぱり往復してから、高天原温泉に下ろう。

あんなパワーはないので、ゆっくりと行くことにして、外に出よう。

あ、水を買わなきゃ。水晶小屋には、水はないけど、ペットボトルなら1本だけ買うことが
できるんです。2本は買えないです。






 向こう側が野口五郎岳方面になるのだけど・・・

水晶小屋を出ると、雨、風がそれなりにあって、やはりつらいです。すぐ、靴の中は、ぐ
じゅぐじゅとなり、ワリモ北分岐からワリモ岳に登っていく。




ペンキの目印に導かれて、ワリモ岳を越え、急登をいけば鷲羽岳の山頂が近づいてきた。

 


  鷲羽岳山頂 2924m


背後は霧一色で、景色は望めないけど、やっぱり来て良かったです。

往路をもどって岩苔乗越から、高天原温泉へ下って行くと、初めは、草地のお花畑を行く
。後はもう樹林帯の、展望のない道をただ下っていくだけ。展望が無いから、天気が良く
なくてもいいさ、なんて負け惜しみを言いながら、温泉へ下っていくわたし。

 岩苔乗越からの下り


岩苔乗越から1時間半歩いたけど、とっくに着いていい水晶池分岐が出てこないんです。
山と高原地図では、水晶池分岐まで、1時間になっているのに、ガイドブックでも1時間
になっているのに。どういうこと?

途中に分岐はなかったし、地形からみても正しいと思うけど、なんせ、窪地だし、だれと
も会わないんだもん。ちょっと不安。

でも、更に下っていくと水晶池分岐がでてきて一安心。知らない内に、自分はバテてしま
ったんだろうか?と思いながらも、まあ、とにかく休憩していると、4人グループが降り
てきて、地図でも2時間になっているという。

その人たちが持っていた山と高原地図を見せてもらうと、あれ、確かに2時間となってい
て、あ、2002年度版だ。ぼくの2001年度版では1時間だし、ガイドブックまでも
1時間なのに。なんで、どうして?まあ、道は正しいということだ。



 水晶池分岐

          水晶池からの水晶岳




水晶池を往復して、高山植物の咲く湿地帯を行くと、小雨になって、湿原の中の高天原山
荘に着く。


 高天原山荘

さらに20分ほど下ると川の脇に、念願の高天原温泉が見えてきました。これが、これが
、高天原温泉なんだ。


 



薄日が差して、三日ぶりに、湯に浸かると、汗だらけの体は、前も後ろも解放されて、も
う、言葉がないです。あ、湯加減?それは申し分ないです。やっとたどり着いて、汗だら
けの服を脱いで、濡れた靴も脱いで、気持ちのいいそよ風の中で、はだかになって、北ア
ルプスの温泉にはいっているんだもん。前の川で、靴と靴下とタオルを洗って、夕食へ戻
ろう。


 バルコニーからの水晶岳

 

バルコニーの向こうに20分行くと温泉はある。


 豊富な水でビールを冷やしているんです。

バルコニーで、ビールを飲めば、目の前の緑の風景はひと夏の色、いいなあ。




夕食を終えて、発電機が止まって、ランプの明かりの中で、すきな時間が過ぎていきます
。寝床に付くと、体はとってもさわやかでいい気持ち。



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