北アルプス 高天原温泉1 烏帽子岳(えぼしだけ)2628m

2002.8

北アルプスに、山を歩いて最低でも1泊してやっとたどり着く、高天原温泉(たかまが
はらおんせん)という秘境の温泉があるというのです。9日間の予定で、高瀬ダムから
入山し、この日本一遠い温泉という高天原温泉へ入って、身を委ねて、新穂高温泉へ下
山する夏休みに出かける事にしました。

9日間と言っても、途中のどこかの山小屋に連泊して、のんびり過ごそうかというゆっ
くり旅なんです。

こんな高天原温泉て、どんな湯加減なんでしょうか?


烏帽子岳(えぼしだけ)〜野口五郎岳〜水晶岳〜鷲羽岳〜高天原温泉〜黒部五郎岳〜笠
ヶ岳〜新穂高温泉という予定です。


1日目 高瀬ダム〜烏帽子小屋〜烏帽子岳〜烏帽子四八池〜烏帽子小屋(泊)

信濃大町駅からタクシーで、高瀬ダムに入っていく。途中の七倉からダムまでの道は、
東京電力管理道路となっていて、一般車両は通行禁止のうえに、タクシーの台数までも
が制限されている。

この七倉で登山届けを提出して、高瀬ダムに着いてみると自然の石を積み上げたこの高
瀬のロックフィルダムは、なかなかの迫力で、こんな作りのダム、初めてです。

ここまで、自転車で来るというのもよさそうだけど、自転車って、ダムまでいかせてく
れるのでしょうか。聞いておけば良かったです。


 高瀬ダムは1270m

高瀬ダムの堤防でタクシーを降りると、上空の山並み中央のちょっと左に、頂が見えて
、あれが烏帽子岳だろうか。今日、あそこまで行く予定なんだけど、とっても高いや。


  

このロックフィルダムの高瀬ダム堤防に取り付いた道を、タクシーは上ってきた。ダムを
渡り、これから入っていく不動沢トンネル入り口の上にある展望台に登ってみると、湖水
の彼方に、槍ヶ岳の頂がほんの少し頭を出していて、いい天気が広がっています。


 

この槍ヶ岳の頂が、これからの山旅への気持ちを高めてくれています。


 

真っ暗と思っていたら照明されていて、出口の明るさが、大きくなってくると、期待もふく
らんできました。






トンネルを出ると、もう、別世界。不動沢吊橋を渡って、ダムを左に見て、登山口に着く。

これから登り始めるというのに、ここは最後の水場なんて書いてある水場があって、水はあ
るけど、これから行く裏銀座コースは、水が入手しにくいし、なんたって今日は初日、バテ
るかもしれないし、多めに持っていれば安心だよね、やっぱ補給です。


初日に、アルプス3大急登と言うブナ立尾根を登って行くなんて、多めの水も重たくて不安
です。

ダムから烏帽子小屋までの、6時間の急登を、水場のある登山口から歩き始めると、やっぱ
り、初日だあ。体はたいへん、ペースがつかめなくて、ひいひい。ゆっくり登っていくしか
ありませんです。

自転車をこぐのと、山を歩くのとでは、使う筋肉は違うという感じはいつもするけど、もっ
と歩いて準備をしておけば良かったです。これから、9日間、山を歩くというのに、こんな
体力で、行っちゃって大丈夫?、と思うことしきりです。

「でもね、2日目以降は、もうずっと大展望の稜線歩きさ、今日さえ、乗り越えれば、なん
とかなるよね。がんばってね。」なんて、思ったりもするわたしです、

今日の日差しは強いけど、樹林の中の尾根を行くので直射日光が当たらなくて、風は気持ち
いいです。でも、休んでは進み、休んでは進んで、すこしずつは進んで行くだけ。やっぱり
、ここは、急登です。


やがて、船窪岳の荒々しい崩壊面や、船窪小屋がだんだん見えてくると、船窪岳方面から、
落石の音が幾度と聞こえてくる。船窪岳を通って、針ノ木岳にも、いつか行ってみたいのに
、アップダウンが激しくて、悪路で、怖そうな風景です。


 船窪小屋がみえてきた




取り付きから付いている番号札の真ん中の6番まで来ると、もうたいへん。大休止です。

取り付きの12番から烏帽子小屋まで順に減って行く番号札が設置されていて、その6番な
んです。

そして1番まで来ると、あれ、小屋まであと15分と書いてある。この1番はゴールじゃな
くて、烏帽子小屋がゴールの0番なのか。1番と思っていたのは、わたしだけ?

でも、初日の急傾斜道も、大台は超え、明日行く裏銀座コースの稜線が見えて、彼方には歩
いたことのある表銀座縦走コースにある燕山荘も見えて、小屋までもうすぐという期待感で
一杯だ。


 

烏帽子小屋の屋根が見えると、その向こうには水晶岳方面の展望が、いっぱいに、広がって
いるんです。

 
 
 
 
 
  わたしのザック

宿泊の手続きをして、中にはいると、趣のあるとってもいい山小屋。

山小屋の正面には、赤牛岳方面への眺望が広がっているし、本当にいい雰囲気の山小屋なんです。









ザックを預けて岩場の烏帽子岳へ。前烏帽子岳(2605m)を超えると、正面に、美しくとが
った烏帽子岳が見えて来て、途中は、クサリ場を通って頂上へ行くと言うけれど、こんなするど
い山頂に、ぼくでも登れるのでしょうか、不安になってきました。



眼下に高瀬ダムを見下ろしながら歩いていくと、、登山道は、裏側を行く道となっていて、山頂直下
にだけクサリ場が有るだけで、ほっとしました。


 

山頂直下のクサリ場からも、高瀬ダムが見えていい高度感です。


 烏帽子岳山頂 2628m



烏帽子岳からの眼下には、烏帽子四十八池というのがあって、小池が点在しています。

 

行ってみると、いくつもの小池と湿性のすてきなお花畑が混在していて、それに
南沢岳が、きれいに組み合わさって、いい緑色の風景となっています。




歩いてきた烏帽子岳方面を振り返る

    

すきな山小屋で、おなかいっぱいの食事をすれば、がんばってよかった1日が終わっていき
ます。


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