オーストリア 自転車旅行 2003.8.31〜9.30
南ドイツ フリードリヒスハーフェン 〜 オーストリア ウィーン
30日目 9.29〜30
朝起きると天気予報どおり雨でした。タオルやひもで固定し、極小の輪行袋に入れただけ
だけど、昨夜落ち着いて自転車を梱包しておいてよかったです。故障しないでくれてあり
がとうと自転車に言った。
タクシー乗り場にはいろいろな車が順番に並んでいて、ぼくが乗ることになったのはグレ
ーのベンツ。トランクに自転車を入れてもらって、一度は乗ってみたかったベンツの車内
に入ると上質な作りで皮のシートに感激。メーターも無ければタクシーらしい物は一切無
く、まったくの自家用車に思えた。タクシー乗り場から乗ったし、屋根には黄色のタクシ
ーマークがあったし、白タクではないはずだけど、と思っていたら、エンジンがかかると
バックミラーの中にタクシー用のメーター、料金などデーターが赤字で表示された。タク
シーなのに、上質な車内の雰囲気を保っているんだ。なんて良いんだと思いながら、雨の
高速道路からは工業地帯が見えた。
雨のウィーン国際空港
午後の搭乗時間まで空港内を散策した
自転車は、来る時と違い袋に入れただけなので、気になっていたけど、チェックインする
と、「手扱い専用にします」と言われ、後で自分で専用のカウンターに持っていくよう教
えてくれた。帰国するとは言え、やはり一緒に旅行した大切な自転車だもの、一安心。
座席に座り、直行便、所要時間11時間50分のオーストリア航空エアバスA340は日
本に向かった。もう飛行機が落ちない限り間違いなく日本へ帰れるんだ。夢を果たそうと
オーストリへ向けて日本を旅立った時、機内で不安ばかりが頭をよぎり、描いていたオー
ストリア自転車旅行は終わろうとしていて、今帰国便に乗っているんだ。自分で決めたル
ートで見てきたオーストリアの風景や出来事を思い返した。
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ドナウ川
キュッツビュール
そしてサウンドオブミュージックのラストシーンを思い出した。「すべての山に登れ」を
歌いながら山を越えて行くラストシーンだ。「生きている限り、いつでも山に登りなさい
。すべての小川を渡り、すべての虹を追いかけてください。夢が叶うまで」。いい歌詞だ
と思った。
見えない手で守られている国内での自転車旅行と違って、孤独を感じることもあったけど
、知らない国を旅することは大切なんだ。そして、何より、人は美しい風景を見ておかな
ければならない。と思った。
ぜいたくしたなあ。念願のオーストリアを自転車で走ったんだ。人生のうちで、健康体で
、まとまった時間が取れて、自転車旅行だから享受できた美しい風景に会えて、終わって
みれば人生最高の自転車旅行になりました。
また明日から仕事が始まります。
初めてフリードリヒスハーフェン空港に降り立った時の気持ちを思い出した。
またいつか来てもいいですか。ハイキングをして山に咲く野生のエーデルワイスの花を見
に行きたいと思った。
8月31日に旅立った成田空港に9月30日に着いた。
おわり
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