オーストリア 自転車旅行 2003.8.31〜9.30


南ドイツ フリードリヒスハーフェン 〜 オーストリア ウィーン



20日目 9.19

ザルツブルク〜ヴォルフガング湖〜モント湖〜モントゼー

昨日バスで通った道を、今日は自転車で移動して行く。

 ザルツブルク新市街

 ホーエンザルツブルク城


道の途中で気に入った風景があれば自転車を止めて、マイペースで行く。バスでは味わえな
い移動という実感だった。

ザルツカンマーグートは、いくつもの湖が詩的で美しい風景を作って、自転車でしか味わえ
ない大自然の風景ばかりが見えてきた。シャーフベルク登山鉄道には乗らなかった。


 ヴォルフガング湖






自転車が無理な年になったら観光旅行で是非乗ろう。今日はグムンデンまで行こうと、モン
ト湖をかすめてアッター湖への近道を行くと、赤と黄色の、なにやらあやしい標識が出てき
た。




オーストリアはドイツ語圏の上に、英語併記はなく、案内板、標識の意味を調べるにはドイ
ツ語の辞書が頼りになる。「落石注意」と分かったけど、日本の「通行止め」標識からバツ
印を取った白いのっぺらぼうの標識の意味は何かしら?日本は×(バツ印)以外にも数字と
か絵記号があるのに、×まで無いと、通行止めとまでは言わないけど「注意して通行してね
」ぐらいの意味かしらね。

後で分かりました。この標識も「通行止め」であって、日本の×の入っているデザインの標
識と、同じ意味でした。×の有無の違いがあるのにね。

行くとしても、落石注意と警告のある外国の道を行くのはいいものではなく、できれば避け
たいのだが、今日中にグムンデンへ行くにはこの道しかないんです。前方に大きな絶壁が見
えてくると、道は直下を進んでいる。日原にある燕岩の直下を行くような感じか?。恐ろし
い。

悲壮な気持ちで絶壁の直近まで来たら、通行止めゲートがあって、先には、落石防止柵がい
くつか見えた。


 



行かなくていいんだ。諦めがついて緊張がほどけた。困りました。この道が行けないとなる
とグムンデンへは無理になり、迂回するとしても、モント湖を反対方向から回ることになる
。さらに、峠も越えるからきょうは諦めよう。

モント湖の湖畔で地図を見ながら、モントゼーに泊まって、明日、湖を一周してからグムン
デンへ行くことに決めた。泊まりは、昨日も行った、モントゼーになりました。

 

  モント湖湖畔のサイクリングロードを通って教区教会のあるモントゼーへ向かった。


 

   昨日来たのにまた来てしまったモントゼー

宿泊先は、意外なところになった。訪ねた宿は二軒目も満室で、またまたピンチ。今日は金
曜日だから、用心のため、初めてで恥ずかしいけど、観光案内所を訪ねた。不安でいっぱい
のままドアを開けると、きれいなおねえさんが、笑顔で迎えてくれて、必死で探してくれた
んです。予算額の80ユーロがうまく通じず、後で分かったのだけど、18ユーロの宿をさ
がしてくれていたんです。「トライしてみよう」と言って、深呼吸してから、電話した仕草
の意味が後で分かりました。たくさん電話をして、22ユーロの宿を見つけてくれて、真心
のこもった心づかいと笑顔のすてきなおねえさんだったんだ。

「これがファミリーネームで、これが住所。だいたいこのへんね。」と観光マップにマジッ
クで記入してくれた。「ファミリーネーム」ってなんで?と思ったけど、明日のグムンデン
までの道の通行ができることも教えてくれた。


その住所を探し始めたけど、見つからず、モントゼー湖畔の農村地帯を行ったり来たり。だ
いたい、家と家が離れていて、外国の家の表札も見たことがないから、表札探しから始まっ
た。家々の表札は小さかった。


 モントゼー湖畔の農村地帯を行ったり来たり

大きな家だと「空室あり(ZIMMER FREI)」というサインが出ていることもある
からこのサインを目印に家を探したけど、違った。

やっと見つけた。大きな家だけど、小さな表札にさっきのファミリーネームと住所が書いて
あって、書いてもらったマジックの文字と何度も比べた。間違いない。

サインはない普通の家だったんです。

ドアをノックしようとしたら、インターフォンになっていて、またまたピンチ。インターフ
ォン越しに観光案内所で紹介してもらって泊まりにきました、なんて直ぐには言いだせない
のだもの。決心がつかずぐずぐず。思い切ってインターフォンを押した。

インターフォンに耳を傾けていたら、女の子が二階の窓から顔を出して、母親を呼んで、「
観光案内所からきたんですか?」。ぼくは「はい」と答えるだけだった。個人の家に泊まる
なんてどう言っていいやら勝手が分からず、オロオロしながら、案内してくれた部屋に入っ
た。シンプルな部屋で、親子でベッドメーキングをしてくれました。

庭には、アヒルとヤギが放してあって、窓からの山がいつになく明るく思えた。

 部屋からの眺め



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